【相続のキホン】後悔しないために知っておきたい6つのこと
「相続」と聞くと、難しそう、自分には関係ないと思っていませんか?実は相続は誰にでも起こりうる身近な問題です。大切な家族が亡くなった後、財産をどうするかは避けて通れません。
知識不足から家族が揉めてしまうこともあるでしょう。この記事では、「相続って何?」という基本から、後悔しないために知っておきたい6つのポイントを分かりやすく解説します。
「相続」ってそもそも何?
簡単に言うと、相続とは「亡くなった方の財産を、特定の関係にある人が受け継ぐこと」です。例えば、お父様が亡くなれば、その財産(お金や家など)を法律のルールに従って、お母様や子どもであるあなたが引き継ぐ。これが相続です。
誰でも受け継げるわけではなく、法律で決められた人(法定相続人)が対象となります。
何を受け継ぐの?「遺産」の中身を知ろう
相続で受け継ぐものを「遺産」といい、これは亡くなった方が残した「財産」のこと。注意したいのは、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も含まれる点です。
- プラスの財産: 現金、預貯金、株、不動産、自動車など
- マイナスの財産: 借金、ローン、未払いの税金など
つまり、相続はプラスもマイナスも一緒に引き継ぐのが原則です。もしマイナスが多い場合は「相続放棄」も可能ですが、期限があるので注意しましょう。
誰が受け継ぐ権利があるの? 「法定相続人」の順番
法律では、遺産を受け継ぐことができる人「法定相続人」とその順位が決められています。
- 常に相続人:
- 配偶者(夫または妻)
- 配偶者と一緒に相続人となる(以下の優先順位):
- 第1順位:子(子ども) (子が亡くなっていれば孫など)
- 第2順位:親(父母) (子がいない場合。祖父母も含む)
- 第3順位:兄弟姉妹 (子も親もいない場合。甥姪も含む)
例えば、亡くなった方に妻と子ども2人がいれば、法定相続人は妻と子ども2人の計3人。子どもがおらず、両親が健在なら、妻と両親が相続人となります。
遺産はどうやって分けるの?「遺産分割協議」が基本
法定相続人が複数いる場合、遺産の分け方を決める必要があります。これを「遺産分割」といいます。
- 話し合いで決定:
- 法律上の目安(法定相続分)はありますが、全員が納得すれば分け方は自由に決められます。「家はお母さん、預貯金は子どもたち」という形も可能です。
- 全員の合意が必須
- 一人でも反対すると成立しません。通常、「遺産分割協議書」を作成し、全員が署名・捺印します。
- 遺言書があれば優先
- 故人が遺言書で分け方を指定していれば、原則そちらが優先されます。
遺産分割協議は揉め事が起きやすい場面です。感情的にならず、冷静な話し合いを心がけましょう。
相続税は必ずかかる?
「相続=相続税がかかる」と思われがちですが、相続税がかかるのは、遺産の総額が「基礎控除額」を超えた場合のみです。
- 基礎控除額 = 3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)
例えば、法定相続人が3人なら、基礎控除額は 3,000万円 + (600万円 × 3人) = 4,800万円。遺産総額がこの額以下なら相続税はかかりません。
ただし、基礎控除額を超える場合は、亡くなったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に申告・納税が必要です。
【意外な事実】少額の遺産ほど揉めやすい?
「うちは財産が少ないから大丈夫」と思っていませんか? 実は、遺産が1,000万円程度など、それほど多くない家庭ほど揉めやすいという現実があります。
理由は、「たいした額ではない」という油断からの準備不足、自宅不動産など分けにくい財産しかないケース、生前の介護負担などお金以外の感情的な対立、普段からのコミュニケーション不足などが挙げられます。
まとめ
相続は誰にとっても他人事ではありません。いざという時に慌てず、家族関係を壊さないために、元気なうちから知識を身につけ、家族と話しておくことが大切です。
不安な点があれば、弁護士や税理士などの専門家への相談も検討しましょう。早めの準備が円満な相続につながります。