営業時間:10:00〜18:00
相続に関するご相談はお任せください

親から土地をもらったら贈与税はどうなる?

カテゴリーコラム
この投稿をシェア twitter facebook line

「親の持っている土地を、いずれ自分名義にしてもらえるかも」と考えたことはありませんか? 

ただし、土地などの高額な財産を生前に贈与してもらう場合には、「贈与税」が発生するケースがほとんどです。

そこで今回は、贈与税の基本的なしくみや、税金を軽減するために利用できる「相続時精算課税制度」を中心に、わかりやすくまとめました。

相続や贈与の話は複雑に思われがちですが、ポイントを押さえておけば、将来のトラブルを避けたり、大きな節税につなげたりできる可能性があります。

親から土地をもらうと贈与税がかかる?

親から子へ「土地を贈与する」とは、「お金を払わずに受け取る」ことを意味します。

たとえ親子のあいだであっても、無償で財産を受け取った場合は贈与に該当するため、一定額を超えると贈与税がかかる仕組みになっているのです。

とくに土地は金額が大きくなりやすい財産ですから、「贈与税が思いのほか高額になる」ということは珍しくありません。「親からの贈与だから税金はかからないのでは?」と考えている方は、まずここで注意しましょう。

贈与税の計算例|2,000万円の土地を贈与されたら?

実際にどれぐらいの税金がかかるのか、土地の評価額が2,000万円の場合を例に見てみましょう。(親から18歳以上の子供の場合)

  1. 基礎控除110万円を引く
    2,000万円-110万円=1,890万円
  2. この1,890万円に対応する税率(45%)をかける
    1,890万円×45%=850.5万円
  3. 控除額を差し引く
    850.5万円-決まった控除額(265万円)=585.5万円

上記のように、最終的には585,5万円の贈与税がかかる計算になります。また、「贈与を受ける財産の評価額」「贈与者と受贈者との関係」「受贈者の年齢」により上記算式の税率、控除額は異なります。

贈与を受けた土地をすぐに売却して現金化するならまだしも、実際には住むために利用したり、長期保有する場合も多いでしょう。その場合には、納税資金をどこから用意するかが大きな課題となります。

相続時精算課税制度なら2,500万円まで贈与税ゼロ

「土地を贈与してもらいたいが、贈与税が高くて困る…」という場合には、「相続時精算課税制度」が使えるかどうかを検討しましょう。

この制度を利用すると、2,500万円までの贈与に対して贈与税がかからないという、大きなメリットがあります。

たとえば、上記の2,000万円の土地であれば、全額が非課税で贈与できるわけです。

ただし、以下の条件を満たす必要があります。

  • 贈与する人(親または祖父母)が60歳以上
  • 贈与を受ける人(子または孫)が18歳以上

さらに、一度この制度を選択すると、同じ贈与者(親や祖父母)からの贈与については今後ずっと相続時精算課税制度を使うことになり、通常の贈与税計算には戻せません。

相続時精算課税制度の注意点

相続時精算課税制度は、「贈与税がかからない」代わりに、親が亡くなったときの相続税の計算時に、すでに贈与された財産も含めて再計算されます。

つまり、生前贈与では税金がかからなくても、最終的には相続税として課税される可能性があるのです。

また、将来ほかの財産も贈与する予定がある場合は、一度制度を選んでしまうことで、柔軟に計画を変更しづらくなるデメリットも考えられます。

したがって、土地の評価額や相続対象となる財産の総額、家族構成などを踏まえ、慎重に判断することが大切です。

まとめ

親から土地をもらうときは、たとえ身内同士のやり取りであっても、基本的には高額な贈与税がかかる可能性があることを覚えておきましょう。

土地の評価額が高いと税金負担も大きくなるので、事前にシミュレーションすることが欠かせません。

しかし、相続時精算課税制度などの特例を活用すれば、贈与税を大幅に抑えることも可能です。

ただし、その分、将来の相続税が増えるリスクや、他の制度と組み合わせにくくなる面もあるため、「本当に今、土地を贈与してもらうべきか」を含めて専門家に相談し、家族とも十分に話し合うのがベストです。

贈与税や相続税は、あまりなじみのない方からすると難しいテーマに感じるかもしれません。ですが、「贈与税がどうかかるか」「相続時精算課税制度を利用するとどうなるか」という基本を理解しておけば、いざというときに慌てず手続きを進めることができます。

大切な資産をスムーズに引き継ぐためにも、まずは情報を集め、早めに備えておきましょう。